馬場 繁幸(国際マングローブ生態系協会)・ 井上 智美(国立環境研究所)
モンベル渋谷店5Fサロンにて開催
海と生きる森ともよばれるマングローブ林をテーマに、国際マングローブ生態系協会でマングローブ生態系の保全・管理、持続可能な利用に貢献するための研究、啓蒙活動などを行っている馬場繁幸さんと、国立環境研究所でマングローブの生理学的研究をされている井上智美さんにお話しいただきます。
馬場繁幸さんのお話し
今から三十数年前、琉球大学農学部に赴任し、西表島の琉球大学の施設を訪ねたら、満潮時の海の中に木が生えていました。
北海道で生まれ、それまでマングローブをみたことがなかった私には、海の中に木が生えていたことが、とても不思議な光景でした。
そんなことがきっかけとなって、マングローブ林の泥の中で遊びはじめ、今も遊び続けています。
マングローブの現状などを話題にし、肩の凝らない話をさせていただきたいと思います。
井上智美さんのお話し
植物のカタチや構造を、その気になって観察してみると、そこには様々な機能があることに気付かされます。
マングローブ植物の、あの奇妙なカタチはどうでしょう!地上部に露出した根、ブツブツの樹肌。もっと近づいてみましょうか!
そこには、潮間帯という、海になったり陸になったりする環境に生育するマングローブ植物の、とっておきの秘密が隠されているのかもしれません。
マングローブ植物のスゴイ技について、お話させていただきたいと思います。
ゲストスピーカー・プロフィール
ばば しげゆき
馬場 繁幸(国際マングローブ生態系協会)
1947年北海道生まれ。最後に出たのは東京農工大学大学院修士課程(林学専攻)。学位は農学博士(九州大学)。1978年に琉球大学農学部に着任。2005年に琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設に異動。2013年に定年退職。現在は琉球大学名誉教授。アジアを中心に太平洋島嶼国、アフリカや中南米諸国のマングローブ林で遊び、1990年の国際NGO/NPOの国際マングローブ生態系協会(ISME)設立をお手伝いし、現在は事務局長兼理事長。
いのうえ ともみ
井上 智美(国立環境研究所)
千葉大学大学院自然科学専攻博士課程修了、博士(理学)。博士論文のテーマは、淡水湿地に生える植物の体内を空気が流れる現象(換気機能)について。現在、(独)国立環境研究所勤務。メコン河口域、メコンデルタに広がるマングローブ生態系に関する調査に関わったのがきっかけでマングローブ植物の生理生態に関する研究を始めた。現在のフィールドのメインは西表島。地下足袋を履いて、泥んこになりながら森に遊んでもらっている。