■ミッドウェーの雑草除去・植樹
「雑草除去」とは、一言でいうと、島の環境にとって有害な外来植物を処分する作業のことです。 どうして有害な植物がこの島に入って来たのでしょうか?
もともと無人島だったミッドウェイに人が住むようになったのは1903年のこと。高い木があまりない南海の孤島では、風除け、日除けの為に、すぐに育つ植物が必要だったのです。そこで、もともとはミッドウェイには無かったシマナンヨウスギ、バーバシーナなどを植えたのでした。それらは順調に繁殖し、目的は達成されたかに見えましたが、この外来種はクセモノで、おおいに繁殖し続け、今では自生植物やコアホウドリをはじめとする動物達に多大なダメージを与えるまで有害な植物となってしまったのです。
まず、こういった外来種は、自生種よりも生命力も繁殖力もあり、弱い自生植物はどんどん外来種に負けて枯れてしまいます。外来種はますますはびこることに・・・。こうして外来種が繁殖し続ける為、枯れ葉もどんどん増え、土地が酸性土壌となり、ますます自生植物が生きづらい環境になっていくのです。
また、鳥たちにとっても、シマナンヨウスギなどは巣が作りにくく、枝や葉に体が絡まり死に至る例も多いのです。さらに、外来種の繁殖は、コアホウドリが島に戻ってくる際に着地出来る場所をわかりにくくし、逆に飛び立つ時には邪魔になるなど、多大な害があるようなのです。
一方、ナウパカ(クサトベラ)などの自生植物は、ミッドウェイに生息する動物たちの居心地の良い住まいであり、無くなっては困るものです。ミズナギドリはナウパカの下に、グンカンドリは枝に、というように思い思いに巣を作っているので、その植物が無くなるとこれはほんとに大問題なのです。
そういう訳で、外来種を根幹から除去しようと格闘しているのですが、その生命力、繁殖力はまさにこの根元が物語っているのです。根は深く強く張り、そう簡単に抜けるものではない・・・。 そこで、「雑草除去」と並行して自生植物の「植樹」を行うのです。 植えるのは、ナウパカ、アクリクリ、アレナ、モーニンググローリーなど 北西ハワイ諸島の自生植物。 植えた後の水撒きも重要かつ大変な仕事です。
このように、もともと生息する動物と共存してきた植物たちを保護する事も、立派な環境保護であり必要であることなのです。こういうことをここではボランティアを通じて学ぶ事ができます。 ミッドウェイでは、このような「雑草除去」及び「植樹」のボランティアを常時募集しています。ぜひともご協力下さい。
ミッドウェイフィールドオフィスから
ナウパカ
沿岸の低木で最も一般的なものの1つで、岩や砂のビーチで濃い茂みを形成する。ミッドウェイのナウパカは、花が7月から11月に咲き、8月中旬までには果実となり、9月が最盛期である。