活動BLOG - ミッドウェーより

漂着した魚網類、年間11トン

漂着した魚網類、年間11トン

大量の魚網(ミッドウェー環礁)

港に積み上げられた大量の魚網

自然保護区として注目を集めているミッドウェイ環礁は、「太平洋ゴミ集積ベルト」(北緯20度から40度の中緯度で太平洋をほぼ横断する幅数千キロメートル前後の帯)の真っ只中にあり、海流や風の関係で日本やアジア各地からおびただしい量のさまざまなゴミが漂着します。

環礁にすむ希少な野生生物にとって、とりわけ深刻な被害をもたらす危険なゴミは、漁網や漁具類やロープ類です。漂着した漁網や化学繊維でできたロープはリーフエッジに絡みつき、分解されることなく水中を漂い続けます。それらにハワイアンモンクアザラシやウミガメが絡まり、溺死させてしまう事故が度々起こっています。

魚網類に次いで危険なゴミは、プラスチック製品やゴム製品です。これはコアホウドリのひなに深刻な打撃を与えます。コアホウドリのエサは、イカやトビウオですが、海面を漂う自然分解しないプラスチック製品やそのかけらを、誤って捕食してしまうことがあります。それが親鳥からひなへ、口移しでエサとして与えられ、一緒にプラスチックを飲み込んだひなは、消化できないゴミで「擬似満腹感」を得てしまうため、エサを受け付けなくなって栄養失調で死んでしまうことが多いのです。

こうした被害を防ぐため、現地では、魚網やプラスチック類を発見次第、回収することになっています。昨年1年間に少数のボランティアによって回収し引き上げられた漁具・魚網関係ゴミは11トンに及びました。

OWSでは、ミッドウェイフィールドオフィスに常駐しているネイチャーガイド3名が米国魚類野生生物局(FWS)の保護官に協力して漁網回収にあたっています。しかし、実際に次から次に流れ着くゴミの処理には、かなりの根気とダイバーの人手が必要になります。そこで、OWSでは、昨年の10月に引き続き、次の日程で漁網回収ボランティアツアーを企画しました。個人でもグループでも我こそはというダイバーの皆さんの参加をお待ちしています。

ツアー期間:2001年5月12日(土)~5月16日(水) ※ホノルル発着
終了しました。