■第67回海のトークセッション 終了
5月14日(火)にモンベル渋谷店5Fサロンで開催された、第67回海のトークセッション「海洋のプラスチックごみ問題と生分解性プラスチック活用の行方」の様子をセミナー委員の藤堂さんにリポートしてもらいました。
セミナー委員の藤堂さんのリポート
今回の講師は、大妻女子大学家政学部で人や環境にやさしい被服材料(繊維)について教育・研究を行っている、兼廣春之さん。
まずは海洋ゴミとはどんなもので、どのような歴史を経て、現在の問題が起きているかを解説いただいた。
今から30年ほど前、魚網やロープなどの流出などによる生態系への影響が懸念され、現在では海流にのったプラスチックなどの漂着物が大きな問題となっているとのこと。
大きな懸念として、経済成長めざましい中国で、プラスチック生産が飛躍的に伸びていることがあるが、日中韓露の情報共有が始まり、収集・廃棄費用に予算がつくなどの、国際的な取り組みも進んでいる事がわかった。
また2年前の東日本大震災における海洋漂流物がどの程度流出し、どのように各国に漂着するのかなどのデータも公開された。
これまで生産開発されてきたプラスチックは、技術・性能的には優れているものの、自然界では分解できないものである。これからは微生物が自然に分解してくれる材質で作られたグリーンプラ製品(生分解性プラスチック)の活用を目指す取り組みがなされているそうだ。
ところがグリーンプラ製品は、既存製品に比べて高コストで、性能的に劣るため、なかなか普及が進んでいないところが、目下の課題だそうだ。
詳細で緻密なお話に時間が足りなくなり、質疑応答の時間が十分取れないほどであったが、国際的な問題に対しての、確かな対策の一つであると
感じた時間であった。