■第44回トークセッション終了
イベント委員の須田あゆ子さんより、2008年9月11日(木)に開催された第44回海のトークセッション報告をお届けします。
モニタリングって、どういうもの?やっていくとどうなるの?と素朴な疑問しかわかない私にとって、ひとつひとつが「そういうことなのかー」と知ることの多いお話でした。
まず前半は坂口さんがこれまでたずさわってこられた、様々な絶滅危惧種の野生動物の調査方法の紹介やそのときのエピソードを交え、調査や観察(観測)の有用性を話してくださいました。
もっとたくさん動物たちの話をききたかったなあ。
そして後半は通称「モニ1000」を中心に。100年以上にわたる長期継続調査を目指すそうで、本当に息の長い計画なんだとびっくり。でも、この長期観測こそが重要なんだということがわかりました。
「同じ場所を、長い間見続ける」ことで生態系本来の移り変わりを理解し、そのなかで異変をとらえる。それを情報として公開・共有していくことで有効な保全アクションの手立てになる。ふむふむ、なるほどなあ。
またスライドで紹介された石西礁湖におけるサンゴの平均被度の変化のグラフは、20年間にわたる継続調査の蓄積。それが変化のパターンや変動要因、また今後の傾向や対策を考えるうえでの貴重なデータになるんだなと、実感。続けていくことが、何よりも大切なんだということ、改めて思いまし た。過去に遡って、その年のデータをとることは出来ないですし…。
モニ1000の調査の担い手は研究者ばかりでなく、地域の NPOやボランティアの方々が多く参加されているそうです。とても嬉しいことです、自然を守りたいという気持ち、私たちにできること、そのかたちのひとつとしてのモニタリング。これを継続し、情報を残していくことが、未来の同じ気持ちをもった人たちへの贈りものと考えると、なんだかとってもステキなことに思えてきました。
ご来場くださった皆様ありがとうございました。