■第40回トークセッション「地球温暖化とサンゴ礁の島々」終了
3月18日、国際サンゴ礁年2008特別企画、第40回OWS海のトークセッションが、
満員御礼、大盛況のうちに終了しました。
イベント委員会の籏野道子さんから、当日の感想を交えてご報告します。
3月18日は、「地球温暖化とサンゴ礁の島々」というテーマで、国立環境研究所の山野博哉さんにお話をしていただきました。
山野さんは、ツバルに起きている洪水の原因を探り、地図を使った視覚的に分りやすい解説と、ハザードマップによる解決案の一つを提言し、現地政府や住民に訴えるという、凄いことをやっている方。山野さんのバイタリティに、感動しました。
お話の中で一番驚いたのは、ツバルに地図がなかったこと。そして、その地図をご自分で作られたこと!GPSをしょって、空港を歩いて地図を作っていらっしゃる姿には、思わず笑ってしまいました。
私は、今回のお話を聞くまで、地球温暖化だけが原因なのだと思い込んでいました。でも実際は、海面上昇や地球温暖化といった地球規模の要因と、社会経済的な問題、土地管理の問題といった地域的要因が複合して、洪水の原因を作っていることがわかりました。
一見すると、地球温暖化という大きな問題が原因と片付けられてしまいそうなことを、もっと現実的な問題に引きおろして、解決策を提言していくという「目からうろこ」のような話を聞く事ができました。
さらに、お話から、過去から学ぶことの大切さに気づかされました。昔の人は、どこに何を植え、どこに、どのように住めばいいのかちゃんと分っていたようです。
現在の発展を否定するのではなく、過去を振りかえることの重要性を感じました。最後に、下水処理の問題やゴミの問題についての質問もあがり、社会的な問題の深さも感じました。
現在、山野さんは、日本全国のサンゴマップを市民の協力を得て、作ろうとしていらっしゃいます。ツバルに地図がないのと同じで、日本にもサンゴの地図がないからです。いったいどのように変化してきたのか、実際のところ何が起こっているのか、そして、解決策はないのか、これらを把握するには、地図が必須なのだと、今回のお話でよくわかりました。
日本全国のサンゴマップ作り、微力ながら私も参加させていただきたいと心から思いました。
そして、サンゴマップの完成をものすごく楽しみにしています。